
ウクレレをホームセンターの材料で試作的に作ってみようと思い、ボディーにべニア板、ネックはアカマツの木材など買い集め、ペグやフレットはアマゾンでポチッと。
キットとはいえ今まで3本のマーティンを作った経験から舐めてかかったウクレレ製作。しか~し、キットじゃなく、ただの板切れ、棒切れから楽器を作り出す大変さを思い知るのでありました。
でさっそく、型枠を作ります。これがあると後々便利。ウクレレだから小さくてかわいい枠になりました。この時には4本同時に作るなんて事は頭になかったんですが^^
木材はほぼ近所のD2ホームセンターとジョイフル本田で調達。ペグやブリッジ部などパーツを除くと材料費は千円ちょい。
ギターより場所を取らないので、3本一度に制作することに。(その後4本になる)
先ずはトップ板に直径6㎝のサウンドホールを開ける。トップ板の形はマーティンのドレッドをもとに横幅約1/2(20㎝)に、ミニマーティン的な仕上がりにしてみようと思います。
穴あけには電動ドリル用の道具を買う。アマゾンでセットで買うと安かった。セットで3,900円くらいだったか。これだけサイズがあると後々便利なので単品で買うよりおすすめ。
トップ板の裏側にブレーシングを貼ります。ブレーシングは弦の張力に対してトップ板を補強する力木で、これが逆にサウンドボードとしての振動を抑えて鳴りに影響してしまうので、アコギ作りではすごく重要です。
ウクレレではどの程度影響があるか何種類か試してみることにしました。そんな訳もあって実験的に4本同時制作になってしまったのでありました。
ギターではマーティン社のXブレーシングがもっとも有名で、実はそれ以外はよく知らないのですが(汗)、取り敢えずやってみようと思ったわけです ^^b
プロのルシアーの人が見たらアホかと思われそうですが^^;
こんな4種類になりました。左上(自分のヤイリさんのブレーシングのマネ)、右上(思いつき)、左下(シンプルなXブレーシング)、右下(スキャロップド)。
調べたらアコギの場合の弦の張力は約75㎏、ウクレレは約25kg。という事は、もしかしてそもそもウクレレにブレーシングは必要ないのではという疑問が浮かぶ@@;
ブレーシングの次はフロント、リアブロック、サイドパネルの接着、ライニング工程。複数同時制作だと硬化を待たずに他の事ができるので効率がいいかも。
ものによってトップを先に貼ったりバックから貼ったり試したところ、フラットなトップから貼って、バック側前後のカーブに合わせサイドパネルを削ってから、ライニング→バックパネル貼り、がいいと思った次第。
※サイドパネルはシンプルに長方形の板を使用し、トップを貼ってからフロント側のボディー厚を薄くするようにサイドパネルを削る。
バックパネルに膨らみを持たすので、バック側のライニング材には10度程角度を付ける。
トップパネルを先にすると、ピックアップを付ける場合にも作業がしやすい。
パッシブのピックアップを貼り付ける。ライニングにはバックのブレーシングを差し込む切込みを入れた。もちろんトップ側にも、結構面倒くさい作業。
バックパネルをいつものタイトボンドと100均のクランプで接着。
はみ出た表裏のパネルを切り落とし、電動のトリマーでバインディングの溝をくるっと掘る。
バインディングには、ホームセンターで1本90円で売っていた工作用マホガニーの細い材5x1.5mmを使用した。
マホガニーの材は、接着前にベンディングアイロンで予めボディーの形にしておく。直線からいきなりではカーブのきついところでは折れたり密着しないので、面倒でも必要な作業。
4本のバインディングを巻き終わり、ここまででできるボディーの作業は一旦終了。
キリのいいところで今日も工房を後に。
ネックにはこれもホームセンターで売っていた60x60x910mmの松の角材を使用。取り合えず2本分をつくる。
電動や手動のノコギリで大まかな形にする。60x60は電動でも切るのが大変で、無駄も多いので、
後の2本は薄い板を必要な部分のみ重ねて使うことを考えよう。
やっと1本がザクっと大雑把にできた。図面を見ながら間違いがないか確認。
透明なプラスティック板で型紙を作っておいたので、確認するのにも便利。
即席の電動ドリルを使った電動ヤスリを作って、丸みを付けたり形を整えてゆく。削りすぎないように要注意。
自作の電動ヤスリでネックのヒール部の曲線を削る。これは結構使える。
ラフなネックが2本完成。
切り出した指板を載せてみて出来上がりを想像する^^
100均で買った直角定規を当てながら慎重に溝を掘るも僅かにフレットどうしの平行がくるっているところができてしまった。そこで自作の直角定規(写真)を作ってやり直した。先ずは線引き。
2本を同時に作業。溝切用ノコギリはギターパーツ通販のダイワマークさんで購入。詳細は道具コーナーで紹介します。
溝切をした指板を粗削りしたネックにタイトボンドで接着。
指板の厚みが4.5㎜と薄いので先にフレットをはめた場合の強度が心配なので、指版を先にネックに貼ることにした。
久しぶりの作業。まだ粗削り中のネックとボディーを合わせてみて自己満足^^
これからネックの仕上げとボディーとの接着作業です。
ネックのジョイントには丸棒を使うことにした。加工も簡単だしウクレレならこれで強度は十分だと思う。
サドル中心部頂点の位置が12フレットの2倍プラス補正分2.75㎜でブリッジの位置を決め、接着部に塗装が掛からないようにマスキングテープで保護。因みにギターだと更に6弦に補正が掛かってるのでサドルが斜めになっているが、ウクレレではそこまでやらずにフレットと平行になっている。
ブリッジがフレットと平行で、弦の中心線に来るように慎重な作業。何回も確認@@;
ペグの穴を、裏側と表側から異なるサイズで段を付けるように開ける。この写真では見えないけど。
直角に開けるためにドリルガイドをアマゾンで買ったが、使い方に慣れていないのか、それほど正確ではなかった気がした。それでもないよりはずっといい
穴あけが終わって、ペグを仮付けしてみる。まあ何とかなりそう^^
次からは塗装工程。
ここからはいつも忘れてしまうので、自分の忘備録としてなるべく具体的に記録します。
今回も2液性ウレタン塗装。理由は、ラッカーのようにギタースタンドのウレタンゴムと反応して塗装が溶けるようなことが無く、丈夫。汗にも普通のラッカーシンナーでも反応しないので後々の扱いが楽。
2液性ウレタン塗料は化学反応による硬化なので、塗料の深いところも短時間に完全硬化するが、ラッカーは空気と触れていない塗装の深いところは長期間完全硬化しないので、色の変化やひび割れが起こるそう。それがいいという事もあるけど、ゴムと反応してしまうのは困りものだ。
という事で今回も使用したのは次の塗料たち:
①マルチフィラー(TXF-200):木材の導管を塞いで目止めをし、塗料の密着性をよくする。写真右のようにドロッとしているので適度に薄めて使用する。
②TXシンナー:マルチフィラーやステインの薄め液。ラッカーシンナーとは異なる。
③ステイン:今回もいつもの3色(ブラウン、イエロー、ホワイト)を使用。
塗料メーカーは浜二ペイント株式会社。
(左)トップ板はマルチフィラーを適度に薄めてほんの少しホワイトを入れてブラシで塗る。
(中)裏はマルチフィラーにブラウンとイエローを混ぜて塗る。
(右)サイドはマルチフィラーにブラウンそのままを少量混ぜて塗る。
※因みにネック部分には薄めたブラウンのステインを直接刷毛塗りして、乾いたころに600番程度のサンドペーパーで軽く落としてマホガニーっぽいオールド風の雰囲気を出した。その上からブラウンを混ぜたマルチフィラーを塗布。
マルチフィラーは乾く前(まだ湿り気が残っている感じ)に拭き取らないといけないので慌ただしい作業。その後30~1時間くらいの間にウレタン塗装をする。
やっと塗装本番まできた。ここはエアスプレーガンといきたいところだが持っていないので、安易にいつもの缶入りの2液性ウレタンスプレーで塗る。用途は自動車ボディー、樹脂バンパー、金属、木材とある。
何種類か出ているが、いつものソフト99、ボディーペン、ウレタンクリアーをアマゾンでポチッと。他にもっといいものがあるかもしれないけど取り敢えず使い慣れたもので^^
先ずはべた置きで正面とサイドから
工房の庭の脚立を使ってバックを塗装、及び重ね塗り。
2液性ウレタンスプレーは硬化後は、400番のヤスリ掛けをしないと重ね塗りができないので、塗料が垂れない程度に1時間以内にできるだけ重ね塗りをしておく。
塗装が終わったDIYウクレレ2本。4本同時製作のうちのとりあえず2本。ミニマーチんみたいにピックガード(仮)を付けてみた。あと2本はいつになるのか^^;
次はポリッシング、ブリッジ、サドル、ペグ、ナット、弦張、調整と続く。
トップとバックの塗装状態。バックは鏡面仕上げだけどトップを鏡面にするには重ね塗りをするか検討。
サイドはザラザラ感が残っているが全体的には艶が出ていい感じ。
塗装の後はブリッジを接着する。
張るタイプのピエゾピックアップとジャックのはんだ付け。
ピックアップ取り付けはボディーを閉じる前にやっておくべき。
弾いてみた(YouTube)
クレイジーG