Martin D28 kit 到着~!初めてのアコギ製作

D28kit Martin社に発注してから約2週間でD-28のキットが到着、到着時に関税1,800円を宅配の人に支払いこれから初めてのアコギ製作!


キットなのでプラモデルの延長くらいに思っていたら精密な木工品ですね、これは(^^;)
とりあえずD-28キット製作レポートは全体の流れを思い出しながら自分の忘備録として書くことにしました。
更に詳細はこの後のooo-28(トリプルオー28)とD-18製作でレポートしたいと思います。    

ご開梱~

D28kit D-28Kitご開梱! 中にはシュレッターされた新聞紙がゴミ袋2つ分も緩衝材として入っていたので多少の箱潰れにも中身は全く無事でした。
サイドパネルはベント(曲げ加工)されていて、トップ版も大まかな形になっています。曲げ加工は自分でやるとなるとベンディングする道具が必要でかなり大変な作業みたいなのでこれだけでも大助かりです。
ネックはおおむね形になっていますが、若干の形状は自分好みに成形することが可能だと思います。
フレットは自分でカットして指板に打ち込みます。
取説の冊子が付属していますが、写真が少なく、かなり英語の勉強になります ^^;                   

HD28仕様

d28 D-28は、Topにシトカスプルース単板と側板と裏版にインディアンローズウッド単板を使用したマーティン定番のアコギ。
キットも説明ではもちろん同じ種類の材料が使われていますが、市販のD-28と全く同じという訳ではないと書かれています。よく見れば木に目立たないフシがあったりしてラインではねられたりしたものもあるみたいです。ペグなんかももちろん製品と同じではないのでその辺にこだわる人は別途仕入れて組み込んだ方がいいと思います。
トップ版の裏にはブレーシング(表と裏の板の内側の補強材)の位置が鉛筆書きされています。この位置はとても重要。
ブレーシングはスキャロップしようと思います。スキャロップとはブレーシングを弓型に細く削って板の振動をしやすくし、高音質になりますが、反面強度は弱くなります。 自分が持っているD-28はスキャロップドドレーシングではなく、結構ガツンとした音でもちろんそれはそれで好きです。

それに比べて、このキットはD-35に近いような少し高音質のギターになったみたいです。
バインディング(ギターの箱の縁)にはヘリンボーン(イワシの骨模様の寄せ木細工※オプションパーツ)を内側に埋め込み、HD-28ライクにしました。  

                    

型枠の製作

d28 まず型枠を作ります。マーティンのネットショップには型枠も売っていましたがケチったワケで...
建材用のラワン材で作業用枠を作成します。これは安いけどトゲがよく刺さるので注意!自分で取れなくて2回医者に行きました ^^; もう少しいい木で作ったほうが良かったかも^^b
トップ板もベニヤ板などで型版を1枚作っておくとあとあと便利。枠は数センチ厚なので2枚作り、角材を挟むようにして厚みを付けました。                  

                    

ブロックの接着

d28 早速製作開始。ネックブロックとエンドブロックをタイトボンドで接着します。タイトボンドは木工用の強力な水性化学接着剤で、硬化する前は水で拭き取ったりできますが、一たび硬化すると木と木をがっちりとくっつけでまず剝がせないでしょう。s
それに対して少し高級なギター、多くのマーティンもそうでしょうけど、ニカワという動物のたんぱく質を利用した古来からある接着剤を使用しています。ニカワはドライヤーなどの高温を使えば剥がれます。なので、ネックを外したりの修理ができるという利点があります。もちろん音にも影響しているという事も聞いたことはありますが、この点は自分には詳しくは分かりません。
いつかネック接着だけでもニカワで作ってみたいですが温度管理やら相当難しそうなので、とりあえずは化学接着剤で。マーティンの取説にもタイトボンドにしとけって書いてあったと思います。
写真では見にくいですが、サイドパネルは、先に作った型枠に納まっています。
バックパネルには膨らみが有り、サイドパネルにはカーブがあるため、平らなトップパネル面を下にして、ブロックの上面とサイドパネルの上面の面が会うように接着します。ここにトップパネルが乗っかり貼られるので当然面が揃っていないといけないわけです。
両ブロックは2つともサイドパネルから上に飛び出していますので、後でバックパネルのカーブ(ふくらみ)に合わせて切りそろえます。これ結構難しい作業。
クランプはアコギ製作者のYさんに頂いたり、その他アマゾンと100均で揃えました。(赤い柄のものは100均で200円也)全部で30~40本程度は揃えたかな。            

                    

バックパネル

d28 バックパネルは真ん中から縦に2枚に分かれていて、寄木細工(キットに付属)を挟んでタイトボンドで圧着。
左右の木目がミラーになっているのは、1枚の板をパカッと開くように切っているからですね。トップ版はあらかじめ左右接着されていますが、やっぱり木目はミラーになっています。
ブレーシングはとりあえず置いてみたものです。
「単板」というのは、ベニヤ板みたいに薄い板を積層したものではなということで、このように左右で接着していても単板ですので念のため。      

                    

サイドパネルは直角に

d28 サイドパネルが直角になっていることを確認します。
これが直角でないとボディーの箱はゆがんでしまうので常に注意です!                     

                    

型枠で確認

d28 形が崩れないように型枠を使用することは必須です。このように2センチもないような板を使用したので、最低2枚は必要です。                     

                    

リボンライナー接着

d28 リボンライナーはサイドパネルとトップ、バックパネルを接着するのに必要となります。アコギの中をのぞくと切れ目の入った木がくるっと一周接着してあるあれですね。
これもタイトボンドで接着し、クリップで圧着します。
因みに接着工程をしたら必ず1日以上はそのまま。で、別の作業をするかその日の作業はおしまいにします。焦らないで作るのが大切です。
私は週末に数時間作業するだけでしたのでゆっくり製作には10ヵ月程かけました。
それくらい余裕をもって臨んだ方が失敗は少ないかな^^                     

                    

バックパネルブレーシング接着

d28 バックパネルにブレーシングをタイトボンドで接着、100均のクランプが活躍します。届かないところは適当なウェイトをのせて圧着しました。
写真ではわかりにくいのですが、バックパネルは局面なので、パネルの下には局面になるように木を置いています。角度Rとかは勘で^^;  

                    

ブレーシングほぼ完了

d28 バックとトップパネルの裏面、ブレーシングを張ったところです。
トップパネルのサウンドホール周りの補強(3枚)はまだ張ってないですね。


因みに、クランプを使う接着方法は時間との勝負でたいへんなので、GoBarシステムっていうもっと効率のいい方法を次は試してみたいと思います。

                    

バックパネルを張る準備

d28 リボンライニングの縁に3か所切り欠きを入れています。これはバックパネルのブレーシングがサイドパネルに突き刺さるようにする為です。
もちろん見えていないところも、トップパネル側にも切り欠きを入れました。結構これは面倒な作業ですが、トップの振動がブレーシングを伝わり、サイドパネルからバックパネルまで伝わるようにということだと思います。
サイドパネルには縦に補強材を張りました。これもMartin社のマニュアルどおりです。

                    

バックパネル接着

d28 タイトボンドでバックパネルとサイドパネルを接着します。
ボンドの硬化が早いので素早くします。そのためには、すぐに圧着できるようにクランプをスタンバイさせておきます。この作業はその都度予行練習してからやらないと多分失敗します^^;
この串みたいなクランプは、オーソドックスなツールで、マーティンのマニュアルでも紹介されています。
本格的にアコギを製作している友人Yさんから、圧着はGoBarシステムにしたので必要無くなったということでご厚意で譲り受けました。
因みに、Martinのマニュアルではトップパネルを先に接着するようになっていますが、トップになる面をしっかり平らな面に固定して作業できる方が捻じれが出ないと思い、この時は先に局面になっているバックパネルから張ってみました。プロの人の意見を伺いたいところです。                           

                    

バック完成

d28 さて、接着1週間後の週末、ワクワクしながら型ワクを外します。
接着作業の時は最低でも1日、長いときは1週間放置します。自分は基本的に週末の数時間しか作業をしないのでそうなります。
週に1~2工程しか作業をしないので10ヵ月という長い期間がかかりました^^;
前にも言ってますけど急いで作業をして失敗するより、ゆっくり楽しみながら作りました。                   

                    

トップパネル接着準備

d28 本体をひっくり返しトップパネルの接着準備です。バックと同様にリボンライナーのところにブレーシングが刺さり込む様に切り欠きを入れます。これほんとに面倒くさい。
ボディがゆがまないように、サイドが直角になっているかを時々確かめます。

                    

トップパネル内側

d28 トップパネルの内側です。サウンドホール周りの補強材を張り、Xブレーシングの交差部分に布を張りました。
見にくいですが、ブレーシングを削りスキャロップドにしています。これで高音がより響くようになるはずですが、同時にトップの強度は弱くなります。
接着剤がはみ出して拭いた跡が結構汚い@@;                   

                    

トップパネル準備

d28 トップパネル上部に、写真のようにトッププレートとトップバーを接着しました。
この写真では見えませんが、アジャスタブルトラスロッドの穴も開けました。この辺の詳細はまた後程説明しようと思います。                   

                    

ロゼット接着

d28 サウンドホール周りにロゼットという飾り模様を埋め込みます。キットに付いてきたプラ素材の材料をプラ用接着剤で接着します。
上部(写真では左)が切れているのはネックの指板がかぶさって見えないところなのでOKです。
ロゼットには貝を埋め込むべきだったと後でちょっと後悔。                   

                    

トップパネル接着

d28 さて、トップパネルを張り付ける作業です。タイトボンドはなるべく素早く作業をしないと硬化してきてしまうので焦ります。この作業も予行練習をした上で素早く行います。
この作業中の写真を撮るにはスタッフでもいないとできないのでご勘弁^^;              

                    

Martin D28 Kit箱完成

d28 一晩置いてクランプを外しました。写真左はネックのダブテイル(鳩のしっぽ)と本体が結合するところ。
ここのジョイントの微妙な調整でギターの良しあしが決まる大事なトコロですが、またあとで。
右のようにとりあえずボディーが箱になりました。叩くといい音がします^^

まだ、トップもバックもパネルがサイドパネルからはみ出しています。

                    

ボディーのトリミング

d28 キットの表裏パネルは大きめになっているので、余分な部分をトリミングします。
ローズウッドという木材はかなり堅いので切るのは大変。電気工具や手動の鋸を使って切り落としますが、縁部分は後でトリマーを使ってぐるっとLに切り欠きを入れるので大体でOKです。
そこにバインディングと今回はヘリンボーンの飾りをはめ込みます。                  

                    

ネックヘッドパネル接着

d28 ちょっとボディーから離れて、次はネックのヘッドにローズウッドのパネルを接着します。
タイトボンドを薄く均一に塗り、素早く端材で両側から挟みクランプでぎゅっと。なんだか初めて簡単な作業^^b 
写真左の指板はネック上にただ置いてあるだけで接着はまだまだ先です。                   

             

トリマーによるバインディング溝加工

d28 電動のトリマーでボディ回りに溝を掘ります。
バインディングの幅と高さに合わせてトリマーの刃を設定してくるっと反時計回りに削ります。
トップパネルにはヘリンボーンの寄せ木細工もはめ込むので、もちろんその分も計算して、溝は2段になります。
大きめに削るとあとで困ったことになるので、コンマ数ミリの感じで小さめに掘ります。
バインディングとヘリンボーンは装着後に結局多少は削ることになります。

バックパネルにはヘリンボーンを入れないので溝は1段に掘るだけ。

                    

ボトムの化粧板装着

d28 化粧板の厚みと形に合わせて、ボトムの部分を凹に削り、化粧板をプラ接着剤で接着します。              

                    

それっぽくなってきた

d28 バックのバインディングと化粧板が接着されてそれらしくなってきましたね。
この辺まで来るとアコギ作ってる感が沸き上がってきます。しかもマーティンだし^^b                   

                    

ネック接着準備(ネックセットの角度調整1)

d28 ネックをボディにはめてみて結合状態を確認します。ここからは失敗が許されない、最も大事な場所の製作です。
写真のように、ネックから伸びている指板とトップ板にはわずかな隙間が必要です。Martinのマニュアルによると、この指板先端部分で約1.6mmの隙間が弦を張った時のテンションによるネック起き上がりを相殺するそうです。

                      

ネック接着準備(ネックセットの角度調整2)

d28 そして、指板の上に長いメジャーを当てて、ブリッジ部分でトップからどれくらい上がって(離れて)いるかも確認。弦を張ったときの丁度いいブリッジとサドルの高さとを想定して、場合によっては接続部分のダブテイルを削り、角度を調整します。
これはブリッジの位置と同様にギター製作で最も大変な工程でした。

                    

トップにヘリンボーン接着

d28 トップの角にヘリンボーンをタイトボンドで接着します。へリンボーンは木なのでタイトボンドでOKです。
そのあとの白いバインディング(たぶんABS樹脂)は塩ビ用の接着剤を使用しました。バインディングのプラスティックが溶けて、木の細管に入って機械的リテンションで接着ということになります。        

                  

トップにバインディング接着

d28 ということで、ヘリンボーンの外側にはプラ素材(多分ABS樹脂製)のバインディングを塩ビプラスティック用接着剤で素早く接着。
マスキングテープを貼っていきます。
                  

                    

バインディングを圧着

d28 引き続き素早い作業で、テープとゴムバンドを使い、バインディングを圧着します。

もう少しきれいに巻けないものかと。。。                  

                   

スクレイパーでバインディングを成形

d28 一昼夜以上おいて接着剤が完全に硬化してから、バインディングやヘリンボーンの飛び出したところやボディーのバリをスクレイパーやヤスリで削ってトップパネルとフラットに合わせます。                                   

                    

ボディが完成

d28 ここまで来るとあ~アコギ作ってる~っていう喜びもひとしお。まずは順調にボディの箱ができました。                   

 

ボディ内部チェック

d28 トップ版の裏、ブレイシングが削られて(スキャロップ)されている。これによって高音の響きがよくなるが、強度は下がる。ブレイシングがサイドのリボンライナーに突き刺さっている。これによってブレイシングからの振動がサイドパネルにより伝わるのかもしれないが、よくわからない^^                   

ネックにチューナーの穴開け

d28 写真が見にくいが、チューナーの段差に密着させるためにヘッドの穴を2段階に開けた。                   

フレットの埋め込み

d28 フレットは長いまま巻いてあるので、木槌で叩いてフレットを埋めた後、フレットカッターで切断。この作業はすごい音が出るので、苦情に注意!
フレットを埋めた後の指板がのけぞってます。指板をネックに接着してからフレットを埋め込むのが正しいかどうかはよくわかりませんが、結構叩かないといけないので、接着前にしました。
                  

ネックの接着

d28 ダブテイルの差し込み角度など調整して(ここでは割愛して、詳細はD-18kitで)本体に接着します。
                  

やばい!トップパネル破損 @@;

d28 ネック接着時手持ちのクランプではうまくゆかず、ラバーバンドをサイドの周りにくるっと何週か巻いてネックヒール部分を圧着したのが大間違い。しばらくして工房の屋根に隕石でも落ちたかのような凄い音がしてとっさに外に出た。戻ってみてみると、トップパネルがラバーバンドの圧に耐え切れず縦に割れていたのであった@@;
                  

トップパネル割れ修理

d28 ネットで色々調べた結果、トップパネル割れの修理は結構あるらしく、裏からパッチを張れば修理可能で、それによって音が影響を受けることはほとんどないというありがたいご意見を複数確認。
気を取り直して、トップパネルの余った板を適当な大きさにし、内側からタイトボンドで張り100均で売ってる強力マグネットで内外から挟んで接着終了。100均大活躍!
                  

ブリッジ位置

d28 ブリッジの位置決めも超精密に、コンマ2桁まで。張った弦の真ん中、12フレット上で出る倍音よりも同じ場所で押弦したときの音は高くなる。
弦を押さえれば押弦した分テンションが上がるので、調整としてその分微妙にサドルを下げる。当然弦高が高いほど、弦が太いほど調整が必要になるが平均でやるしかない。
マーティンの取説では1弦側で2.75㎜後ろにずらしてブリッジを取付、6弦側では更に2ミリほど後ろに下がるようにサドルの溝が斜めに切ってある。
                  

ブリッジ接着

d28 ブリッジ位置が決まったらずれないように1と6弦の弦を通す穴にブリッジをネジで固定しつつタイトボンドで圧着。